4月の末はホームで1番年少の、幼稚園生の女の子のお誕生日でした。
ホームに来る前は、一定の帰る場所も、寝る起きる、三食のご飯さえままならず、誕生日のお祝いをされた経験もなかった彼女。
3年前。ホームに来た頃は、初めて見るもの全てに長い時間泣き叫び、恐怖を感じるとフリーズ、脱力。今年のホームでの誕生日会では、こわばった顔でロウソクを吹き消し、ハッピーバースデーの歌が終わると安堵の表情を浮かべていました。
虐待、ネグレクト、更には養育者や度重なる変更や、家族の離散など引き離されてはバラバラになり、深い傷を抱えた子どもたち。誕生日をはじめとする、入学、卒業、七五三などの節目のお祝い。
人生の節目のライブイベントは、彼らの人生を再び一つの物語として統合するものとして、とても大切なことだと思っています。
(クロップから自立していった子の中には「私なんか祝われなくて仕方ない存在だ、産まれてきたくなんかなかった」と、祝って欲しい気持ちと、自尊感情の低さからそう言いながら当日には荒れに荒れ果てて…例年の誕生日には泣き叫び大騒動という誕生日も思い出されます。そんな彼女もホームから自立し、そして今年、笑顔で成人式を迎えることが出来たことを思い出すと、それもまた胸いっぱいです。)
「自分なんかどうでもいい。どうせ私はダメなんだ」
今まで存在を否定されてきた子どもたちに、「産まれてきてくれてありがとう。」心からの喜びを伝えたい。
前置きが随分と長くなりましたが…
4月末にお誕生日を迎えた彼女は、幼稚園のお友達のお母さんから花束と手作りクッキーをいただきました。明日は(少し日にちはずれてしまいましたが)幼稚園でのお誕生日会です。
こんな風にたくさんの人に愛され、想われ、祝福されている。周りのお母さんたちや、先生たちのまなざし。
彼女の心には大きな花束が届いているはず。
誕生日に、子どもたちの誕生を祝うことができる。ここに来てくれて産まれてきてくれて本当に、ありがとう。お誕生日、おめでとう。
明日の誕生会用に、日曜日には本人含むホームの子どもたちでクッキーを作り、私は先ほど先日の安納芋で、さつまいものタルトを作ってみました。
安納芋の焼き芋か…はたまた干し芋のようなタルトになったことはまだみんなには内緒…(安納芋のおかげで味はgood^^;)