私たち、クロップが長年想い描いてきた構想が、ついに実現しました。
大きなくすのきが鎮座する、自然豊かな土地にファミリーホームを移転いたしました。
この場所に出会い、今日までに3年以上の月日をかけ丁寧に準備を重ねてきました。たくさんの人たちの愛に支えられ、新たな歩みをスタートすることが出来ましたことをここにご報告いたします。

児童相談所に保護されてクロップへ来るまでは、感情を凍りつかせなければ、生き延びられないくらいの家庭環境の中に生きて、当たり前の日常も昼夜の感覚も無かった子どもたち。
安心してくつろげる居場所がなかった今まで。
子どもたちの抱えてきた痛みや苦しみが消えることはないかもしれない。でも、これから重ねていく日々の暮らしの中で、ありのままに寄り添い生きる過程の中で、その痛みを変容させることが出来るかもしれない。
傷ついたままクロップへ来たけれど、少しずつ「わたしにはこれがある」と自信を持ってほしい。「人って信じていいんだ」という感覚を積み重ねていってほしい。
未来に開かれた可能性と、それぞれの子どもたちの心のスペースが拡がっていきますように。

夢に見ていたお花やハーブ・野菜の畑、コンポスト、ツリーハウス、動物との暮らし。持続可能な暮らし。
子どもたちが豊かにあそび、日々の暮らしを通して学び、癒し癒される場所にしていきたいと思います。

この土地は、
「一般社団法人 大地の再生 結の杜づくり」の方々と有志の方々と共に、建物を建てる前から2年間かけて「手付かずの廃墟」から「空気と水の循環を育む大地」へと整備を重ねてきました。
人と自然が近い暮らしをしていた頃の知恵に学び、コンクリートで固めてきた現代の大地が再び息を吹き返せるように、大地に点穴を開け、炭や竹、木の葉などの有機物を戻し水脈を作ってきました。
大工さんが「子どもたちのために!」という気持ちで建ててくださった自然素材のお家の壁には、麻炭と赤土の石灰クリーム(前記事に書かせていただきました)を子どもたちと一緒に塗りました。棚などは自分たちで作ったり、地域の方に協力していただき、みんなでオリジナルのお家を作ってきました。

私たちの構想が、ひとつひとつこのように実現してきたことは、一重に、皆様の深くて大きな愛によるサポートのおかげです。
スタッフ一同、心より深く深く感謝いたします。
子どもたちがこれからの人生において、より豊かな実りを結んでいけるよう、これからも私たちは共に歩んでまいります。この現状が落ち着き、みなさまとお会いできる日を心より楽しみにしています。今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。