子どもたちも6月から再開した学校にそれぞれ通っています。
クロップハウスにいる子どもたちのほとんどは支援級に所属しているので、個別支援計画に基づいて比較的ゆっくりとしたペースで勉強をしています。
それでも6時間授業が増えた高学年チームは帰宅するとボーッとしています。薬の副作用でさらにボーッとする子、帰宅後落ち着かない子や、疲れると意地悪しちゃう子…
宿題をやって、平日はアッという間に夕飯の時間です。そんな合間に、降り続く雨を見たり、庭の野菜を収穫したり、一緒に些細な話をしたり、そんな時間を大切にしています。
一緒にいられること。ホッと深呼吸できること。それだけで、とても幸せな気持ちになります。日々課題に直面する中で、「一緒にホッとする」この感覚を共有できることは本当にかけがえのない時間です。
社会的養護の子どもたちは18歳の3月には施設やホームを出て暮らし始めるので、年齢が上がるにしたがって「自立」へ向けての指針や計画に沿った動きが活発になります。「大人になる」という以上にタイムリミットを迫られることへの、不安感。それでも、共に過ごしてきた時間があり、その時間を胸に一歩を踏み出していきます。
時間というのは不思議なものです。
子どもが措置されてきたあの日。お腹が痛いと泣いたあの日。怒りも悲しみもぶつかって一緒に乗り越えたあの日。喜びも些細なことも話せるようになった今日。何かに追われるのではなく、ここにいるという、その存在だけで胸にあたたかさを感じられる。愛おしい存在。
答えのない毎日を、共に生きる。そのこと自体が愛おしい。
ここを自分のお家として巣立った子どもたちが、いつでも帰って来られますように。そして、どんな些細なことでもいい。話して楽になることがあれば、ここを訪れて来られますように。そんな関係が築けますように。そして何よりも、これから暮らすであろうこの社会の中にそうやってホッとできる場所の選択肢が増えますように。
いつもご支援してくださる皆様、どうもありがとうございます。