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自立への道

自立への道を歩んでいるAちゃん。

仕事に月曜日〜金曜日通い、自分のお弁当や洗濯、買い物、お手伝いもしています。自立へ向かって進むのだと、自分に言い聞かせてきました。

言葉にならないモヤモヤ、しんどさがあり…お腹が痛くなったり、憂鬱な気分になったりが続いていました。

数日前、人に言われて「あ、自分は心細かったんだ…」と自分の気持ちがようやく言語化できたそうです。そのことは彼女の心の奥深くに触れたようで、数日間涙が止まらない日々が続きました。本人なりに自分の気持ちと向き合っていました。

いつもお腹は痛くなるけど言葉にするのは難しい。モヤモヤするけど自分でも分からない。Aちゃんはじめとするホームの子ども達は言語化するのが苦手です。

自立を目前に、子どもを送りだす側として、Aちゃんのそんな気持ちに対してどんな寄り添い方や手立てがあるのかな、と考えさせられました。

「もし、自分が同じ立場にいて、18歳だったら…。」

私たちは背中を押さなければいけない立ち位置でもありながら、子ども達の声なき声を常にそばで感じ、聞いています。18歳で社会に出て、これからの人生の決断と選択を自らの力でやっていくのは大変なことだと思います。

社会的養護を必要とする彼らは、後ろ盾もなく最も弱い立場にいて傷つきやすい存在です。そんな彼らを児童福祉法の措置解除のもとで半ば急かすような形で出さなければならない痛みとの葛藤。「私たちは本当に彼らの声を尊重しているのだろうか?」自立が訪れる日が来るのは分かっていながらも、尊重して共に歩んできた日々を思うと最後まで声を聞いてどうしたらいいか共に寄り添い考えながら見届けてあげたいなと思うのです。

いつものように隣で料理するAちゃん。「私が出たら、私の部屋には誰か新しい子が来るから…そしたらもう自分の部屋では過ごせないよね。」そんなことを呟きました。

自分のおうち。自分のお部屋。

自分の心の居場所である部屋がないという孤独感。私たちが「いつでも帰ってきてね」と何回言ってたとしても、ぽっかり空いた彼女の心の空洞。今まで一緒にいたという絆と関係をそれでも大切にしたい。私はここにいるよ。あなたの帰る場所は、あるよ。その声を受け取る心が遠くなっていく寂しさ。その声が届くことを信じて。

いつも応援してくださっている皆様に感謝です。

社会的養護のもとで暮らす子ども達の自立支援を日本でも充実していけたらなあ。そんなことを考えています。